求人サイトなどを調べていると、いろいろな雇用形態があり迷ってしまうことがあります。
その中で、契約社員の求人を目にする機会も多いのではないでしょうか。
そもそも契約社員とはどのようなものなのか、よくわからない方も多いと思います。
よくわからないまま、なんとなく契約社員に転職して、後になって後悔したということにもなりかねません。
まずは、契約社員についてよく理解してから転職を考えましょう。
この記事では、以下のことについて解説していきます。
- 契約社員とはどのようなものか
- 契約社員のメリット・デメリット
- 契約社員に向いている方
- いずれは正社員になりたい方
ぜひ、参考にしてみてください。
契約社員とは?
契約社員とは、雇用期間に定めのある社員のことです。
企業と雇用契約を結び、社員として働くことから契約社員と呼ばれます。
企業から提示された賃金・業務内容・勤務地などの条件で、半年や1年などの定められた期間で働き、雇用契約の期限がきたら、契約更新もしくは契約終了となります。
契約が終了となった場合は、その企業を去らねばなりません。
雇用契約を結んでいる間だけ、その企業の社員として働けるのです。
契約社員のメリット
まずは、契約社員のメリットについてご紹介していきます。
- 採用時の難易度が低い
- 仕事内容が明確
- 将来の予定を実現しやすい
採用時の難易度が低い
契約社員の採用時の難易度は低いです。
企業は、契約社員になりたい方が、希望する労働条件で働ける人材であるかどうかということを重視するからです。
私が以前働いていた会社には、年齢は10代から50代の男女、学歴は中卒から大卒まで、前職は学生、農業、職人、会社員などさまざまな経歴の契約社員の方が働いていました。
年齢や学歴にハンデがあり転職が不安な方、前職に関係ない未経験に仕事に挑戦したい方でも、労働条件さえ合えば、採用されるのはそれほど難しくはありません。
仕事内容が明確
契約社員は、仕事の内容が契約時に決められています。
ですので、自分に合った仕事なのかどうかが事前に判断できます。
自動車会社を例にあげてみますと、組み立て・検査・運搬・事務などいろいろな業務があり、その中で自分が出来る仕事、やりたい仕事を選ぶことができます。
仕事内容が明確ならば、いざ入社してから、自分には無理のある仕事だった、自分のやりたい仕事ではなかったなどという事態になるのを防げます。
将来の予定を実現しやすい
契約社員は、将来の予定を実現しやすい働き方です。
雇用期間が定められていますので、今後の予定に合わせて仕事を選ぶことができるからです。
例えば、次のような場合です。
- 2年後に海外留学する予定なので、費用を稼ぎたい。
- 来年結婚して隣の県へ引っ越すので、それまでは働きたい。
- あと半年で契約期間が終了するので、そろそろ転職活動をはじめよう。
雇用期間が決まっていることで、次のステップへの準備がしやすくなるということです。
契約社員のデメリット
次に、契約社員のデメリットについてご紹介します。
- 雇用期間が定められており不安定
- 賃金が低い
- スキルを身につけることが難しい
- 社会的信用が低い
雇用期間が定められおり不安定
契約社員は雇用期間が定められているため、雇用は不安定になります。
雇用期間は最大でも3年間です。また、契約が更新されなければ雇止めとなります。
契約更新は半年ごと、1年ごとなどさまざまです。中には、繁忙期の数ヶ月だけ契約するといったケースもあります。
こちらがいくら更新を希望しても、企業が必要としなければ契約終了となり、雇止めとなってしまいます。契約が更新されるかどうかは企業の都合次第です。
契約社員は、ずっと同じ企業で働けるという保証はないのです。
もし契約終了となった場合を想定し、生活費を確保しておく、安易にローンを組まない、転職の準備をしておくなどの備えをしておくようにしましょう。
賃金が低い
契約社員の賃金は正社員に比べ低いです。
企業が契約社員を雇用する最大の理由は経費の削減だからです。
そのため基本給は低く、退職金はなし、昇給もなし、ボーナスはあったとしても少額です。福利厚生費も正社員とは差がつけられています。
私が以前働いていた会社の場合ですが、基本給は時給制でした。それゆえ、大型連休などがあると大幅な収入減となります。
ボーナスはもらえましたが、金額は15万円ほどでした。交通費や食事補助金もありましたが、正社員と比べるとかなり少なかったです。
このように、契約社員の賃金はいろいろなものが削減され、正社員に比べ低く抑えられている場合がほとんどです。
スキルを身につけることが難しい
契約社員は、スキルを身につけることが難しいです。
契約時に業務内容は決められていますので、決められた業務内容以外を行うことはほぼありません。
また責任の重い仕事、専門的技術の必要な仕事は正社員が行います。
例えば工場ならば、機械のボタン操作は教えてもらえますが、機械の調整や部品交換などのメンテナンスは正社員が行うのが普通です。
契約社員は手を出すことはできませんので、スキルは身につきません。
契約社員は業務内容が制限されています。それゆえ仕事をしながら専門的なスキルを身につけることが難しいのです。
社会的信用が低い
契約社員は、社会的信用が低く見られます。雇用期間が限定されているため、収入が不安定で賃金も低いからです。
クレジットカードを作る際の審査に落ちたり、車のローンが組めないこともあります。高額のローンが必要な住宅の購入は難しいでしょう。
また、恋人との交際、婚活、結婚においても、相手の職業や収入は重要視されます。契約社員は収入が低く、雇用も不安定なため、交際や結婚の相手として敬遠されてしまうケースも多いのです。
雇用や収入に不安のある契約社員は、残念ながら社会的信用が低く見られてしまうのです。
契約社員に向いている方
では、どのような方が契約社員に向いているのかをご紹介します。
- 転職が難しい年齢の方
- 無職期間が長くなりそうな方
- 勤務時間や勤務地に制約のある方
転職が難しい年齢の方
転職が難しい年齢の方でも、契約社員になら転職がしやすいです。
企業は希望する労働条件で働いてもらえる人材を求めていますので、年齢はあまり重視されないことが多いのです。
50代以上の方であっても、契約社員として新規採用され、活躍している職場もたくさんあります。
年齢的に転職は無理だとあきらめずに、契約社員という選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
無職期間が長くなりそうな方
無職の方は、いったん契約社員になるという選択もあります。
無職期間が長引けば長引くほど、転職には不利になるからです。
無職期間が数ヶ月ならば、転職活動をしていたという理由で済みます。
しかし、無職期間が半年以上ともなると、特別な理由がない限り、働かず遊んでいた、能力が低い人物であるなどとみなされてしまうこともあります。
無職期間が長いと、その間いったい何をしていたのかと面接で必ず質問されることになるでしょう。
転職に時間がかかりそうな場合は、契約社員として働きながら転職活動をするという方法もあります。
勤務時間や勤務地に制約がある方
働ける時間や勤務地が限られている方は、契約社員に向いていると言えます。
契約社員ならば、勤務時間や勤務地は契約時に明確に決められているからです。
- 子供を朝と夕方に保育園まで送迎する必要がり、勤務できる時間が限られている。
- 家族の介護のため、福祉サービスが利用ができない夜間は勤務ができない。
- 家事や育児などで忙しく、自宅から通勤に時間のかかる職場は厳しい。
このように勤務条件に制約がある方でも、契約社員ならば自分の都合に合わせた仕事を選ぶことができるのです。
契約社員から正社員になりたい方は
契約社員から正社員になりたい方は、最初から正社員を目指しましょう。
「正社員登用制度あり」としている企業は多いですが、法律で定められているわけではなく、なんの確約もありません。
私はいろいろな工場で働いたことがありますが、契約社員から正社員になれた方をほぼ知りません。ほとんどの方が、長年働いても契約社員のままです。
いずれは正社員という考えが少しでもあるならば、すぐにでも正社員を目指すのが、結局はいちばんの近道です。
契約社員から正社員になりたい方は、最初から正社員を目指すことをおすすめします。
契約社員への転職はよく考えてから
契約社員への転職を決める際には注意が必要です。
契約社員への転職には、メリット以上に多くのデメリットもあるからです。
目的もなく契約社員として働き続け、キャリア、スキルを積めないまま年齢だけを重ねてしまうと、正社員に転職することが難しくなってしまうという恐れがあります。
正社員になりたいと考えているのであれば、年齢が若ければ若いほど、転職には有利で選択肢も多くなります。
転職を思い立った時にはもう遅かったという事態にならないよう、契約社員という働き方が今の自分に合っているのかどうかをよく考えた上で転職しましょう。